新作「Tales of ARISE」を遊んでみて
はじめに
2021年9月9日に発売した「Tales of ARISE」(PS5版)をプレイして、今日全クリした。面白かったのですこし書きたいと思う。ネタバレはなし。
※Steam版のみ9月10日発売
"Tales of"シリーズとは
1995年に第1作目"Tales of PHANTASIA"が発売されて以来25年続いているアクションRPGゲーム。主人公と仲間数名が世界を冒険し、きずなを深め、世界やヒロインを救うといった王道のRPGゲーム。
本シリーズの特徴は、ドラクエのようなコマンド選択式のターン制バトルではなく、アクションを主体とした戦闘を繰り広げる点や、スキットと呼ばれる漫画のようなスタイルでキャラ同士の会話が展開されていくといった点である。
キャラクター
ここからは"Tales of ARISE"について述べていく。
鉄の仮面をかぶり、記憶と痛覚を失ったダナ人の奴隷。本作の主人公。
レナ人でありながら、同族に追われる身となった少女。ヒロインのシオン。
このほかにも道中で仲間が4人追加される。道中での仲間同士のちょっとした会話をスキットやムービーで楽しめるのも本作の特徴。
ネタバレになるのでこれ以上は詳述しない。
ストーリー
ダナとレナの2つの惑星があり、レナは優れた技術力や精霊力と呼ばれる魔法が進んだ高度な社会であった。ダナはレナに侵略され、ダナ人はレナ人の奴隷として300年間、隷属の日々を過ごすところから物語は始まる。
ストーリーの前半は、「奴隷から解放される」とはどういうことなのか?といった「自由になること」に対して本質的な問いかけが行われたり、物語がテンポよく進みすぎていることに対してヒロインが若干のメタ考察をして、それに対しての答えがしっかりと用意されていたりと、面白いストーリーであった。しかし、後半はご都合主義的に展開されていてやや違和感があり、前半部の「自由になること」の問いかけはあやふやになり、主人公はただ理想だけを追い求め、現実は顧みず、それでも運よく世界が救われるという内容になってしまっている。開発期間や予算の関係で後半部の内容が適当になってしまったのかもしれない。DLCや次回作での挽回を期待したい。
厳しめに述べたが、客観的にみると内容量が多く、ファンタジー世界特有の専門用語や世界観をそれとなく道中のスキットや立ち話を通して伝えてくるのは上手で、世界観に没入しやすい。ストーリーの内容、内容量、スキットなどを総合的にみると、満足度は高く、手が込んだものになっている。スキットは320個用意されており、全クリした筆者でも262個しか見れておらず、ボリュームがある。
戦闘
戦闘はアクション主体で、コンボをつなげて、ブーストストライクを打って倒すというのが大まかな流れ。そのほかにも、AG(アーツゲージ)やブーストアタックなどの要素もある。戦闘は一見複雑に見えるが、随所でチュートリアルをはさみながら徐々にできることが増えるので、そんなに難しくはない。ただ、普段ゲームを遊ばない人は少し難しく感じるかもしれない。
雑魚敵(ノーマル)は110種類、ボス敵(ユニーク)は51体、その他フィールド上に点在する強敵(ギガント)は20種類存在する。筆者のクリア時点で順に、85/110、28/51、4/20討伐済みとなっている。種類が豊富で、クリア後のやりこみ要素も兼ねていると思われる。
このゲームではギガントズーグルがかなり強力で、プレイヤーがLv.1の初期時点で受注可能なサブクエストがLv.43のマンティスの討伐である。基本的にその場で倒すことは不可能なので、冒険を進めてからまた戻ってきて倒すということになる。
プレイヤーの戦闘能力は、プレイヤー自身のレベル、防具、武器、アクセサリ等で決まる。武器と防具はストーリーの進行とともに上位互換品に買い替えればよいのだが、アクセサリは複雑で厳選作業が必要である。
また、スキルパネルの開放によるプレイヤースキルの付加も可能であり、スキル開放に必要なスキルポイントはサブクエストとズーグルとの戦闘で得られる。
その他やりこみ要素
フクロウ探し
各地のフィールドに点在するフクロウを探す要素もある。フクロウを見つけるたびに操作キャラクターのコスチュームが手に入る。フクロウは全部で38体。
筆者はクリア時点で26/38体見つけている。
サブクエスト
序盤はアイテム採取などもあるが、中盤以降はほとんどギガントズーグルの討伐である。先述の通り強敵であり、やりごたえがある。
パフォーマンス
60fpsで快適に遊びたいなら、PS5版かSteam版で描画優先に設定することをお勧めする。筆者はPS5版でプレイしたが、fpsが落ちることなく快適に遊べた。
PS4版だとシーンにもよるが、60fpsで快適に遊ぶことはまず不可能である。
まとめ
初心者から上級者まで誰でも楽しめるゲームデザインである。
従来のゲームと比べとがっている要素はないが、ストーリー、戦闘、やりこみ要素を総合的に鑑みれば高水準のゲームで遊びごたえがある。良くも悪くも優等生のようなゲームである。オープンワールドでもなく、ストーリーを順に追っていくステレオタイプのゲームだが、完成度が高いので面白かった。
今年一番面白かったゲームであった。